飛散防止塗料
破損しやすいガラス器具
今や化学合成や化学分析の技術は日進月歩で飛躍的に進化しております。これら化学合成や化学分析の研究室(実験室)では溶媒を多用しております。溶媒にはガラス器具の使用が最も多く、必需品と言っても過言ではありません。
ガラスは溶融温度が非常に高ためにどんなに高温でも耐えられますが、反面衝撃には非常に弱いものです一寸した衝撃、減圧、加圧で破損してしまいますので細心の注意が必要となります。
ガラス体積計にコーティング
一寸したガラス体積計の破損で研究員や実験に携わっている人たちが、思わぬ大きな怪我をしたりする事故も後を絶たないのが実態です。
これら事故から研究員や実験に携わる人たちに安全性、安心感を持って使って頂ける様に飛散防止コーティング塗料、FUJIMIクリアーを開発致しました。
概要
今までの飛散防止コートはガラス体積計にプラスチックをコーティングして使用しておりました。しかしプラスチック故に耐熱温度が低く(60℃以下)、高温では使えませんでした。
そこで弊社にて開発されたのが高温にも強い(120℃)飛散防止コーティング塗料です。
塗料名 | 常用耐熱温度(℃) | 耐食性 | 耐摩耗性 | 透明度 |
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FUJIMIクリアー | 120℃ | 優 | 優 | コーティング前とほぼ同等 |
オートクレープ試験
試験機器 | 高圧蒸気滅菌器:ハイクレープ HVE-50 |
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試験条件 | 121℃ / 20分 13回 |
乾燥 | 80℃ / 2時間(オートクレープ処理後乾燥) |
オートクレープ前
オートクレープ後
特徴
これまでの市販飛散防止コーティング塗料と比較すると、弊社より開発されたコーティング塗料は透明度が飛躍的に向上しており、ガラス体積計中の原液の色を黄変させることなど有りません。塗料の基材に従来の様なフッ素系やポリウレタン系の樹脂塗料は使用していません。 よって抜群の透明感を得る事が可能となりました。また弊社飛散防止塗料はUV(紫外線)カット効果をご希望によりプラスすることも可能です。
下右写真に市販の飛散防止塗料(右)と弊社のガラス飛散防止塗料(左)を塗布した丸底フラスコを比較していますが、透明度の違いが一目瞭然です。
特徴
従来のラップ型飛散防止塗料と違って、弊社で開発したガラス飛散防止塗料はガラスとの密着性が非常に優れているため、仮にガラスが割れてもコーティング塗膜がガラスより剥離してしまうことは決してありません。
また飛散防止フィルムでは施工が難しかった複雑な形状でも塗料をコーティングすることにより解決できます。
理化学ガラス器具の他に、スマートフォン、窓ガラス、照明器具、ガラスグローブ、プラスチック看板、ディスプレイガラス管、集魚灯、ショーケース、キャピラリー等にもコーティング可能です。
塗料の効果によりガラスは飛散せず、塗膜も剥離しません。
実験
実験1
実験方法
200mlの三角フラスコに水100mlを入れ、高さ1mよりコンクリートの床面に自重落下させる。
実験結果
1回の落下テストでは割れませんでした。更にこの試験を3回から5回の繰り返しテストを行いましたが、それでも割れておりません。仮に三角フラスコが割れてしまっても、ガラスは決して飛散致しません。
実験の動画
実験2
実験方法
200ml丸底フラスコに水100mlを入れ、高さ1mよりコンクリートの床面に落下させる。
実験結果
1回の落下テストでは割れませんでした。更にこの試験を3回から5回の繰り返しテストを行いましたが、それでも割れておりません。仮に丸底フラスコが割れてしまっても、ガラスは決して飛散致しません。